醜い国の首相に君臨する安倍晋三氏
2007年6月12日
宇佐美 保
私は、安倍晋三氏を日本国の首相とはとても認める事が出来ません。
安倍晋三氏は、「美しい国」と偽って自ら築きつつある「醜い国」の首相でしかないのだと存じます。
今回の年金問題に於ける安倍晋三氏の対応は、全くこの「醜い国の首相」に相応しい対応でした。
この安倍氏が“五千万件(の年金記録)が不明になっているシステムを誰がつくったのか。その時の厚相は菅さんだ”と声を荒らげている状況をテレビで見て、安倍氏が「醜い国の首相」そのものであることを再認識し愕然としました。
この件に関してのマスコミの記述は、NIKKEI NET(6月2日)の次のようです。
安倍晋三首相は2日、滋賀県大津市で講演し、公的年金の納付記録漏れ問題の責任は民主党の菅直人代表代行にあると強調した。「(記録漏れを起こした)システムをつくった時の厚相は、いま口を極めて自民党を攻撃している菅さんだ」と表明。そのうえで「与野党で争っているときではない。互いに非難し合うのは無意味で非生産的だ」と民主党の動きをけん制した。 |
確かに、基礎年金番号の導入決定時の厚相は菅直人民主党代表代行だったのでしょう。
しかし、「基礎年金番号」に関して「厚生年金、国民年金の財政のホームページ」を訪ねますと、次のように記述されています。
(http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/yougo/you-ka.html)
基礎年金番号(きそねんきんばんごう) 平成9(1997)年1月から導入された1人に1つ与えられた年金番号で、国民年金や厚生年金、共済組合など、どの制度に加入していても共通して使用します。それまでは、加入する制度ごとに年金番号が付けられ、制度ごとに記録の管理が行われていました。基礎年金番号の導入によって、各制度間での情報交換が可能となり、届出を忘れている人への連絡や年金を受ける場合、相談をする場合も迅速に対応できるようになりました。 |
この制度がとんでもない制度なのでしょうか?!
問題はこの制度の導入ではなく、この制度の運用ではありませんか!?
自民党に「責任転嫁ではないか」というクレームが国民から寄せられたのは尤もな事です。
更に、「醜い国の首相である安倍晋三氏」に関して、東京新聞(2007/06/12)は、次の記事を掲げています。
安倍普三首相は十一日夜、社会保険庁による年金記録不備問題で原因や責任を追及する検証委員会に関連し「どこに責任があったのか、政治的責任はどうだったか考えなければいけない」と述べ、菅直人民主党代表代行、小泉純一郎前首相ら歴代厚相の責任問題も視野に検証する考えを示した。 官邸で記者団の質問に答えた。 下村博文官房副長官はこれに先立つ記者会見で「関係者の果たした役割、責任追及も検証の対象になる。(歴代)大臣も例外ではない」と明言。自民党の中川秀直幹事長も会見で「歴代社保庁長官をはじめ、タブーがあってはならない。歴代大臣もタブーではない」と強調した。 |
安倍氏も安倍氏ならその取り巻きも取り巻きです。
「歴代社保庁長官をはじめ、タブーがあってはならない。歴代大臣もタブーではない」と発言する前に自らを省みるべきです。
なにしろ、週刊ポスト(2007.6.22号)には、「まだあった!年金不払い毎年300億円」との驚くべき記事が載っているのです。
・・・ 「消えた年金」問題が国民のすさまじい怒りを呼び起こすと、安倍晋三・首相は慌てふためき、戦犯は第lに菅直人・元厚生大臣、次に歴代社会保険庁長官、さらに社保庁の職員組合だといい出した。 まるで政府や自民党は何も悪くない≠ニいわんばかりの、「美しくない」本性を見せつけられた国民は失望し、内閣支持率はついに30%に落ち込んだ。 ・・・ その年金行政のトップにいたのが一貫して自民党の厚労族議員であったのは誰の目にも明らかだ。だからこそ、安倍内閣の姑息な責任転嫁に国民は怒りを抑えきれないのである。 自民党厚労族のドンの座には長い間、橋本龍太郎・元首相が君臨していたが、橋本氏亡き後は厚労相経験者の小泉純一郎・前首相と丹羽雄哉・自民党総務会長が並び、それに続く実力者には、安倍首相、塩崎恭久・官房長官、根本匠・首相補佐官、石原伸晃・幹事長代理の「NAIS」グループがいる。小泉−安倍と続く清和会政権の中枢が厚労族で占められていることがハッキリわかる。 安倍首相ら4人はこれまで年金改革でも、「年金NAISグループ」を結成して制度改革の先頭に立ち、「年金改革はわれわれの実績」とホームページで誇示していた。安倍政権の中枢は、いわば「年金のプロ」で占められているといっていい。彼らはこれまで、本当に消えた年金に気づいていなかったのだろうか。 |
ここで、安倍氏のホームページから、この「年金NAISグループ」に関する記述(今から8年前の平成11(1999)年7月)の一部をコピーさせて頂きます。
むずかしいことや、わかりにくいことは常にうやむやにせず、どこまでもつきつめて解明し、自分自身だけでなく多くの人々にも納得して貰わねば、という姿勢の表れで、このほど結成された「年金NAISグループ」もまた一連の勉強会の一つです。 まず、ネーミングについては衆議院議員の根本匠(N)、安倍晋三(A)、石原伸晃(T)、三氏と参議院議員塩崎恭久(S)氏による四人グループのイニシャルを並べたもので、国民が不安にかられている将来の年金問題に真正面から取り組んでいます。 |
このような謳い文句どおりの活動を安倍氏ら「年金NAISグループ」がしていたら、今回の問題はもっと早くに判明し、対策も講じられていてしかるべきです。
(なにしろ、彼らは、現政権の中枢を占めているのですから!)
何故、そのようにならなかったのでしょうか?
尚、安倍晋三氏に関して、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、
1999年10月:衆議院厚生委員会理事と書かれています。 但し、安倍氏のホームページには、 何故でしょうか?
衆議院会議議事録情報「第146回国会 厚生委員会 第1号」
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/146/0008/14611050008001c.html
には、次のように記されているのに!
(平成十一(1999)年)十一月五日
理事長勢甚遠君十月五日委員辞任につき、その補欠として安倍晋三君が理事に当選した。
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更に、週刊ポストの引用を続けさせて頂きます。
もう一つの消えた年金は厚生労働省と自民党がひた隠しにしており、国会でもほとんど議論されていない。 簡単にいうと、ちゃんと年金記録があるのに毎年2万人近い受給者が1人100万円単位で受給を減らされているという重大な問題である。 年金を受給するには社会保険事務所で申請(裁定請求と呼ばれる)の手続きをしなければならない。 前回の年金改革までは、年金受給開始年齢になっても社保庁からは満足な通知さえなかった。そのため、申請が遅れたり、企業が支払う年金基金の受給を「厚生年金をもらっている」と勘違いしている人がかなりいた。しかも年金の時効は5年と定められており、それ以上経って申請しても、5年を過ぎた分の年金は国に召し上げられる。保険料の払い損である。 そうしてもらえなくなった年金がどのくらいあるのか。厚労省と社保庁は今も全く公表していないが、3年前の年金国会の際、自民党には提出していたのだ。 本誌が入手した資料はA4判で1枚。 『老齢基礎年金・老齢厚生年金にかかる5年超遡及新規裁定件数・金額』というタイトルの下に、平成11年度から15年度までの毎年の新規年金受給者数と、時効でもらえなかった年金の件数・金額が表にまとめられている。 それによれば、毎年新規年金受給者のうち2万人前後が「時効」を理由に年金を減らされ、平成15年度の場合、1人あたりの年金召し上げは平均133万円で、「総時効消滅金額」は290億円だ。平成14年度では1人当たり153万円、総額298億円。実に毎年300億円もの年金が消えていたのだ。 ・・・ 小泉前首相をはじめ閣僚の年金未納で大混乱した3年前の年金国会のさなか、時効消滅年金の救済問題が自民党内で協議された。 ・・・ 議論は紛糾したが、論をまとめたのは正面に座っていた、当時の安倍晋三・幹事長の言葉だった。 「これも直さなきゃなァ。時効も10年くらいに延ばしたほうがいい」 出席者たちは見直しの方向と受け止めた。 ところが、その後、救済問題は完全に棚上げされた。 ・・・ 安倍さんも厚労族だから、総務会を乗り切るために見直しをほのめかしただけで、最初から救済する気はなかったのだとわかった」 自民党内では、安倍氏−族議員−厚労省が結託して救済策づくりを握り潰したと見られているのだ。 ・・・ それだけではない。04年の年金国会で安倍氏が時効見直しに手をつけなかった背後に、今回の「5000万件の不明記録」問題が深く絡んでいた可能性がある。 厚生労働省の元幹部が振り返る。 「誰のものかわからない年金記録が5000万件以上あることは厚労省や社保庁内部では公然の秘密であり、もちろん自民党の厚労部会の幹部も把握していた。時間をかけて処理していけば、受給者は知らないうちに死んでいくだろうというのが暗黙の了解だ。 あの時に時効撤廃に踏み切れば、閣僚の年金未納や負担増への批判に加えて、記録漏れの問題に火が付きかねない。そうなると、一時支給額がいっペんに増えて年金財政に重い負担がのしかかり、年金計算のやり直しで保険料のさらなる引き上げや受給額カットを迫られる。だから時効見直しは阻止した」 その意味で、「時効消滅年金」資料は、安倍首相ら厚労族が消えた年金問題を封印してきた証拠とも位置づけることができる。 ・・・ だが、
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8年前から活動している安倍氏らの「年金NAISグループ」は、この週刊ポストの指摘した問題(「時効消滅年金」、「消えた年金」)を当然知っていたはずなのに、それに対して何ら対策を講じていません。
そして、このような年金問題が国民の前に曝け出される事を、安倍氏が回避し続けてきた裏づけとして、
安倍氏の恐るべきとの答弁 “緊急事態宣言をすべての被保険者に出す、 これは年金そのものに対する不安をあおる” |
が、2007年2月14日の衆議院予算委員会の議事録に記されています。
(民主党衆議院議員長妻昭氏のホームページ「年金保険料の納付記録消失」より
○長妻委員 ・・・ほとんどの方は、自分の納付記録をきちっと、抜けがあるのかどうか確認されていないんですね。・・・潜在的な被害者が大変多いのではないかと危惧するところでございますので、緊急事態宣言をして、社会保険庁は、被保険者と受給権者の皆様全員に納付記録を郵送して、抜けがあるかどうか緊急に点検してください。わかりやすい納付記録を郵送して、緊急に点検してください。こういうような緊急チェックをされたらいかがかと思うんですが、ぜひ御答弁いただきたい。 総理に最後聞いているんです。 ・・・ ○安倍内閣総理大臣 ただいま御提案がありました緊急事態宣言をすべての被保険者に出す、これは年金そのものに対する不安をあおる結果になる危険性があるのではないか、私はこのように思うわけでありまして、そうした中で、いわば年金の支給に際しては、従来から個別に御本人に年金の加入履歴を確認していただいているわけでありますが、昨年の八月から年金記録相談の特別強化体制をとって、すべての被保険者から、受給権者からのお問い合わせに迅速にお答えをするようにしているわけでありますし、また、必要な修正等を行っています。こうしたことを周知徹底していかなければならない、このように考えております。 ○長妻委員 非常に今残念な御答弁だったと思います。不安をあおる、緊急点検をして皆さんに本当にきちっとチェックしていただくことが何で不安をあおるのか。私は逆に信頼性を高めると思いますよ、きちっとチェックをして処理をすれば。理屈が私はわかりません。 |
何故、安倍氏は長妻氏の提案通りに、「社会保険庁は、被保険者と受給権者の皆様全員に納付記録を郵送して、抜けがあるかどうか緊急に点検」してくれないのでしょうか!?
安倍氏の「年金そのものに対する不安をあおることなく処理をする」という態度は、週刊ポストの「時間をかけて処理していけば、受給者は知らないうちに死んでいくだろうというのが暗黙の了解だ」との指摘そのものに思えます。
そして、安倍氏は、「昨年の八月から年金記録相談の特別強化体制をとって、すべての被保険者から、受給権者からのお問い合わせに迅速にお答えをするようにしている」ということでお茶を濁そうとしたのです。
これでは、「被保険者、受給権者」が問い合わせなければ、全ては闇に葬られて仕舞うのですから。
そして、安倍氏は“与野党で争っているときではない。互いに非難し合うのは無意味で非生産的だ”(冒頭に掲げましたNIKKEI NETの記述)と発言していますが、民主党(長妻議員)の追求なくしては、安倍氏を初めとする厚労族たちの思惑通りに今回の年金問題は闇に葬られてしまったでしょう!
なにしろ、長妻氏は、6月2日の朝日ニュースターの番組「パックインジャーナル」等で次のように発言されていました。
()内は私の注釈です。
特に、安倍政権になってからは情報が出なくなった。 だから、憲法で保障されている国政調査権を背景に社保庁に聞いても、まともな答えが返ってこない。 情報は大臣(柳沢大臣)決算になった、これは情報操作というより情報隠蔽だ。 そこで、社会保険庁からの断片情報から推計値を出し、毎週毎週、議員会館の部屋に社会保険庁の職員を呼んで色々とああでもないこうでもないと問い詰めて、やりとりを繰り返し、逃げられなくなる状態にしたらやっと5000万件という数字を出してきた。 そして、この5000万件という数字が出てやっと政府が動き出した。 昨年の8月から12月まで社会保険庁に年金相談に訪れた1万人は証拠がないと門前払い。 ところが社会保険庁自治体にも全く記録がない84人だけは国民年金の領収書を持っていたので、84人だけは認められた。 国会でも、この84人関して、柳沢大臣に質したら、”社会保険庁の中には記録がなかった”と答えた。 それにひるまず、“本当に記録がないか?徹底的に調べるよう!全庁あげて調べないと柳沢大臣は虚偽答弁になる!”と社保庁に強く迫り、彼らが調べた結果84件のうち29件の記録が出てきた。 したがって、普通の人が窓口に行ったら表面的に扱われてします ですから、領収書を持って来いと言う前に、社保庁の課長からの捨てろという通知を無視して捨てないで残っている紙の台帳(マイクロフィルム)やら今できる方法で徹底的に調べろと訴えているのだが、マスコミはこの点を国民に伝えてくれない。 ところが、安倍首相は、この台帳との突合せではない、(コンピューターの結果のみの)突合調査方法(10年〜18年にやってきたダメな方法)で照合を行おうとしている。 |
この長妻議員に関して、週刊文春(2007.6.14号)は、『霞ヶ関で一番嫌われている男「年金質問オタク」長妻議員』と次のように書いています。
・・・ 民主党が衆院厚生労働委員会の社保庁改革関連法案審議でこの問題を集中的に取り上げたことから社会問題化し、これにフタをするかのような五月二十五日の厚労委強行採決で国民の不安と不満に一気に火が付いたという経緯だった。 ・・・ 長妻氏が国会で初めてこの問題を取り上げたのは昨年六月。「間違いなく年金保険料を払っていたのに『未納』になっているケースがある。こういうケースが何件あり、金額がいくらか、きちっと調べていただきたい」。政府側は「年金の裁定は五十八歳時に『この記録に間違いありませんか』と通知し、ご本人が『違う』という場合は補正する処理をさせていただいている」と答弁した。支給開始前に本人に確認しているのだから年金受給者に実害はほとんどないという説明だった。ふつうの議員なら「それもそうだな」と引き下がっておかしくない場面だ。実際、それ以上深追いする議員がいなかったからこそ、十年前から指摘されながらこれまで大問題に発展しなかったのだ。 だが国会質問に加え、文書で回答を求める質問主意書も連発し、「長妻議員のために残業をさせられている」と霞ヶ関で蛇蝎のごとく嫌われている「質問オタク」は納得しなかった。「調査すると約束しろ」と食い下がり、その繰り返しの中で全体像を浮かび上がらせてきた。「政権交代は選挙でしか起こらない」と国会論戦など眼中になかった小沢一郎代表も今回はいたく喜んでいる様子で、「長妻君を表彰しなくちゃいかんな」と漏らしているとか。 |
この「長妻氏が国会で初めてこの問題を取り上げたのは昨年六月」に関しては、参議院厚生労働委員会(平成十八年六月十六日)の議事録に記されています。
(長妻議員のホームページ参照)
○長妻委員 ・・・ そして、もう一つ、いろいろな方から我々が相談を受けるケースで非常に多いケースがあるんです。そのケースは何かといいますと、いや、自分は間違いなく、例えば昭和五十年前後には年金保険料を払っていた、あるいは昭和四十五年より前には、あるいは何年より前には必ず払っていたのに、念のため社会保険庁で確認するとその期間は未納になっている。でも、どう考えても払っている。奥さんとも話しても、いや、これは払っているよなと。それで、社会保険事務所は、いや、うちには記録がないから、領収書を持ってきてくださいと。そんな昭和四十年や五十年より前の領収書なんてあるわけ、ある方もいると思いますけれども、なかなか難しいと思うんですね。 まさか社会保険庁が、そういう払ったデータがなくなってしまうということは、だれもそんな不信感、当時なかったわけでありまして、そういう例がどのくらいあるのかということで、非常にこれは多い話ですので、その推計値を調べていただきました。 ・・・ 今現在でその情報が六十五歳以上の方、つまりもう裁定を済んである程度統合されている、基礎年金番号、平成九年からですけれども、裁定が済んである程度統合されているのが六十五と推定すると、六十五歳以上でちぎれたレコード、つまり宙に浮いた年金情報はどのくらいあるんですかと聞きましたら、厚生年金保険に関して千七百五十四万件もある、国民年金に関して五百八十九万件もある、行方不明になっているレコード。 ・・・ こういうことをきちっと調べていただきたいと思うんですが、いかがですか。 ○村瀬政府参考人 今委員御指摘の記録は何かといいますと、年金手帳記号番号ということで、基礎年金番号以前のデータでございます。その中で相当数が、先ほどお話ありましたように、既にお亡くなりになっている方等が多いんだろうと思います。 ただ、六十五歳以上八十歳未満の方がどうなっているかということについてはデータ上まだ把握できておりませんので、早急に把握をさせていただきたいというふうに思っております。 |
このように、政府参考人である村瀬社保庁長官は“早急に把握をさせていただきたい”と国会で答弁しておきながら、長妻議員の追及がなければ、社保庁は頬かむりを決め込んでいた事でしょう。
そして、安倍氏も何ら社保庁への調査も改善も促さず、週刊ポストが指摘する「時間をかけて処理していけば、受給者は知らないうちに死んでいくだろうというのが暗黙の了解だ」を粛々と行っていたのでしょう。
なのに、自分(衆議院厚生委員会理事でもあった)の責任を棚上げにして“「どこに責任があったのか、政治的責任はどうだったか考えなければいけない」と述べ、菅直人民主党代表代行、小泉純一郎前首相ら歴代厚相の責任問題も視野に検証する考えを示した。”と白を切る安倍氏の態度には、呆れてしまいます。
第一の責任者は、安倍氏ご本人ではありませんか! 何故、安倍氏が適切な処置を取らなかったのかを、 |
ところが、こんな安倍氏の内閣の支持率が、世論調査では、未だに30%あるというのですから、腰が抜けるほど驚きました。
(私は、森内閣以下の支持率になっていると思っていました。)
「国民投票」など実施したら、日本は「美しい国」どころか「醜い国」へとまっ逆さまに転落してゆくでしょう!
(補足:1)
議員年金は廃止してください。
(補足:2)
5月30日の党首討論での民主党党首小沢一郎氏に対する安倍晋三氏の答弁と、安倍氏に濡れ衣を着せられた民主党代表代行菅直人氏の記者会見での発言とを読み比べると、安倍晋三氏が「醜い国の首相」にぴったりの人格である事がより明確となります。
先ずは、安倍氏の党首討論での答弁の一部を掲げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
それは、申し上げておりますように、平成九年に、このシステムが十年前に導入をされました。そして、このシステムの構築、システムの設計を行ったのは平成八年でありました。つまり、このシステム設計からそして今日までこの問題が解決をされていなかった。すべての、これは社会保険庁長官も含めて、すべての関係者には大きな私は責任がある、そう思っております。そして、今私は、その中で現在の政府の責任者でありますから、大きな責任を感じているというのは当然のことであります。 そして、それと同時に、平成八年、このシステムを構築して以来今日まで、どうしてこういう結果になってしまったかということは徹底して検証する、これは小沢さんも賛成なんだろうと、このように思います。 どうしてこういう問題が出てきたか、どこに責任があったか、社会保険庁のどこに責任があったか、私がこのことを言ってどうしてやじが起こるか私は分からない。まるで社会保険庁には責任がないかのごとくに私は聞こえます。どこに責任があるかということは、有識者の方々に委員会をつくっていただいて、どこに責任があったか、どういう問題があったかということをしっかりと検証して、調査をしていただいて、発表していただきたいと、このように考えております。 |
ちなみに、菅直人氏は、第1次橋本内閣 平成8年(1996年)1月11日に、厚生大臣に就任して、平成8年(1996年)11月7日以降は、小泉純一郎氏が引き継いでいます。
そこで、安倍氏は、厚生大臣時代の菅直人氏を国民の非難の前に引き出す為に“システムの設計を行ったのは平成八年”をしきりに唱えています。
しかし、1年で突合(照合)ができるなら何処に菅氏時代に決定したシステムの導入のどこが問題だというのでしょうか?!
長妻氏が1年前に問題提起しているのに、安倍氏は、今までの1年は何をしていたのでしょうか?!
更に、「社会保険庁のどこに責任があったか」を唱えていますが、社保庁を監督する立場にいた安倍氏ご自身の責任をどのように認識しているのでしょうか?
こんな安倍晋三氏を「醜い国の首相」にぴったりと私は感じるのです。
では、菅直人氏の記者会見での発言を引用させて頂きます。
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=10112
菅直人代表代行は、31日午後院内の記者会見で、安倍首相らが基礎年金番号制度を導入決定した時の厚生大臣が、菅代行であったことを指摘し、あたかも、「消えた年金」の責任が菅代行にあるかのように宣伝していることに、「『消えた年金』問題の本質について」と題するペーパーを配布して反論した。 菅代行は、基礎年金番号導入の閣議決定は、平成8年3月の自社さ政権で、当時の橋本総理大臣だったこと、基礎年金番号制度の導入に反対の声はなかったことの事実関係を明らかにした上で、問題は、番号制度そのものにあるのではなく、導入に際しての作業で、名寄せ作業がしっかり出来なかったため、5000万件もの不明が出たというのが事実であるとした。 また、実際に作業が開始されたのは小泉厚生大臣のときであることも明らかにした。 記者の質問に答えて、何故、政府・与党からそうした話が出ていると思うかについて、「基礎年金番号導入の決定に消えた年金の責任があるがごときまで言うのは相当あせっている」と述べた。 また、参議院選挙で、年金改革は大きな政策の争点にすべきだと思っているとした。さらに、「政争の具にすべきではない、しないと言う言い方で、自らの失敗を覆い隠そうとしている」と政府・与党を批判した。 |
私は、この菅氏の発言は至極当然であって、マスコミの言う「泥仕合」とは受け止めません。